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「で、どーなの。仲直りできたの?」
暗がりの中、痛みがかった金髪を弄りながら少年が問うた。
きらきら、ネオンの光に反射して輝くそれ。
制服とは言い難い私服に近いそのど派手な姿を視界の隅に収めた佐助は、ゆっくりと紫煙を吐き出し頷いた。
何にも妨げられることなく上へ上へと上っていく煙。
薄汚れた廃ビルの屋上へと向かう。
思わず視線をつられ、少年は空ろなままそっかぁと呟いた。
「結局大団円って結構つまんねぇなぁ・・・」
「喧嘩の理由が大したことなかったんだから妥当な結果なんじゃないの?」
「ま、その通りだな」
吸う?と差し出されたシガレットを視線だけで拒否する少年。
こー見えてもバスケ部のホープなんだけど、とおどけて笑う。
「佐助は相変わらず熱血漢のお守り部か?」
「そんな部勝手に作らないでくれる?」
「その超人的な身体能力を腐らせてるなんて勿体ねぇって」
「バスケ部のホープ君こそ、寮の規則破って深夜に歓楽街うろついててもいいわけ?」
「今日は優也ん家にお泊りの予定です」
「ああ。あの『優也』君、ね」
「そ。とは言えアイツ2時すぎたら家に入れない気満々だから、そこんところ踏まえたうえでサクサクお願いしようかな」
携帯のディスプレイに表示された時刻を見せつけ、貼り付けたような笑み。
この笑顔が、佐助はこの上なく苦手だった。
同属嫌悪ともいえるそれ。
似たような微笑を、隠蔽のごとく表情に刻む。
「っても、大したネタはないよー?そっちは?」
「最近南の奴らが隻眼の珍走団を嵌めるために色々画策してるっての知ってる?」
「あ、それね。なんか聞いたよ」
「その追加情報なんだけど東の連中も一枚噛んでるらしい。三日後に例の場所で集会やるらしいからそこ叩きゃ大丈夫なんじゃねぇの?」
「だね。早速政宗に連絡とっとくよ」
短くなったシガレットを握りつぶし、改めて視線を上げる。
きらり、と人工的な光が意図して二人の影を照らし出した。
「君達高校生だよね・・・?ちょっといいかな」
懐中電灯を握る男の薄ら笑顔。その奥に潜んだ野暮な使命感。
隠そうとしても隠し切れない、公僕の匂い。
ち、と舌打ちひとつ。
その男が路地裏に足を踏み入れた瞬間、彼らは駆け出した。
路地の奥へ、奥へと。
「あ・・・、待ちなさい!君達!」
「二手に別れるぞ、佐助!」
「ちょっ、名前呼ばないでよね、紀水!」
「お互い様、だろ?」
「ま、名前知られたからってどうこうできるわけでもないんだけど、ね」
「じゃ、また連絡すっから!それまでになんか面白いネタ仕入れといてくれよ!」
「りょーかい。そっちもよろしくねー」
追いすがる私服警官の脚をまるであざ笑うかのように、少年二人は闇へと掻き消えた。
深い闇だけが残る。
ただ残ったシガレットの吸殻だけが、ぽつりとネオンに照らされていた。










>>またオリキャラ(厳密にはオリキャラではないけれども)出演ですか!!いい加減にしてください!!(スライディング土下座)ぅわ、これ思ったより面白いんですけど・・・、書いてる自分が!!(さいあくだ・・・!!)どうでもいい脳内設定としては、ダテムネと卓人が知り合い、・・・みたいな・・・。
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