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それはどう見ても、一撃で相手を仕留められるものとは思えない。


「だって扇子だろ?良くっても相手に風を送るぐらいにしかならないんじゃないのかい?」
それとも何か?
「お前さんの殿は人を弄るのが好きなのか?」
あざ笑ったかのような隻眼の問いに、ううん・・・と左近は唸る。
顎に手をやる仕草は彼が考え事をするときの癖だ。
「なんというか・・・、扇は扇でも、爆発はするな・・・」
「what!?爆発!?」
「あと、敵に当たったときの音は打撃というよりも・・・、斬撃というか・・・」
「wait!ちょっと待って、あんたの主人の武器ってのは一体何なんだ。爆発?斬撃?意味が分からない」
とは言え、まぁ、
「あんな細腕で刀を扱うほうが無理ってもんか。そこらへんは納得がいく選択だな」
「・・・誰が細腕だと?」
「殿!」
「噂をすれば何とやら、だぜ」
お前のそれだよそれ、と三成の手に握られた扇を指差す。
戦扇がいかに大きいとはいえ、その重さはたかが知れている。
相変わらずの笑みを浮かべたままの政宗に、三成は鼻で笑い返すと彼の眼前に扇を突きつけた。
「確かに、俺の細腕にはこの扇でも重過ぎるぐらいだ。丁度よい、貴様にやろう」
「Ah-hum?仕様がねぇなもらってやるよ」
「あ、やめたほうが・・・」

ミシッ!

「・・・!!?(重!!てか持ち上がらねぇ・・・!)」
「ほらどうした。俺の細腕でもなんとか振り回せるだけの重さしかないのだぞ。貴様にはたやすく扱えるだろうに」
「・・・(両手で精一杯だ!一体その体の何処にコイツをぶん回すだけの力が・・・!!)」
「さて・・・、行くぞ左近。新しい扇を買わねばな」
「は、はぁ・・・(・・・いいのかな・・・)」
「Ha!?ちょっ・・・ちょっと待っ・・・、いい!こんなのいらねぇよ!ちゃんと持って帰りやがれってこのっ・・・come back!!」 

その後、米沢城の片隅にてひたすら腕立て伏せを繰り返す城主の姿が西海の鬼に発見されたという。

「・・・お前いきなりどうしたんだ?」




>>ありがちですね!!
タイトルはDMC3のバージルの台詞より。

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